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本屋大賞受賞「羊と鋼の森」は文章が美しい本だったから映画を観てみた感想


2016年本屋大賞、「2016年キノベス!」第1位、「2015年ブランチブックアワード」大賞と3冠を達成した宮下奈都氏の「羊と鋼の森」

映画の予告編を見て、まず小説を買い、実に美しい文章で綴られていた原作に魅了されました。

丁度、読み終わったタイミングで映画が封切になったので、期待に胸を膨らませて行ってきました。

余談ですが、昼間の映画館てお年寄りが多いのよねぇ。60歳以上は割引になるからだろうけど、映画を観る若者が減っている今、お年寄りばかりが映画館に足を運ぶようになると、配給がそちら向きになってしまわないだろうか?と、ちょっと心配になりました。

私は子供たちが小学生の頃から、一緒にジムキャリーの映画やホームアローンなどを見に行っていたので、親子割引とかグループ割引とかあったらいいと思うし、もっと若者が気軽に映画を観られるような値段になればいいのにね。

しかも、10本ほどあった予告編のうち、洋画はたった1本。これまた、洋画ファンとしては実に寂しい。映画のありようとか、映画館そのものも変わっていくのかもしれませんね。


「羊と鋼の森」 主要キャスト

羊と鋼の森公式HP(画像はオフィシャルサイトから引用)

  • 若手調律師 外村直樹-山崎賢人
  • 先輩調律師 柳伸二-鈴木亮平
  • 高校生の双子姉妹 佐倉和音-上白石萌音 佐倉由仁-上白石萌歌
  • ベテラン調律師 板鳥宗一郎-三浦友和

「羊と鋼の森」 あらすじ

高校生だった外村直樹(山崎賢人)は、ある日学校の体育館でベテラン調律師「板鳥宗一郎(三浦友和)」がピアノを調律している姿を見て、自分も調律師になろうと進路を決める。

専門学校を経て、就職した先は体育館で見かけた板鳥宗一郎がいる楽器店だった。

新米調律師として働きだす外村直樹が、様々な葛藤や壁を乗り越えて、調律師としたも人間としても成長していく様子を描いた作品。

「羊と鋼の森」 原作の感想

読後一番に感じたことは、ものすごく文章が美しいということ。

森を表現している文章では、濁りのない森の風景がすーっと頭の中に表れます。どこを読んでいても透明感があって、すがすがしくまっすぐな感じ。

宮下奈都氏の作品は初めてでしたが、心が洗われていくような文章というのが存在することを知った作品でもありました。

で、その美しい文章で綴られた小説をどのように映像で表現するのだろう??と俄然興味が湧いたのが、映画を観てみたい!と思った動機になっています。

「羊と鋼の森」 映画の感想

北海道の山奥で林業を営んでいる両親の元で育った山崎賢人さん演じる、調律師を目指す主人公の外村青年。

山崎賢人さんでは、山奥で育った純朴で感性豊かな青年とイメージが合わないのでは??と思っていたのですが、イエイエ、それは完全に杞憂。
山崎賢人さんに付いては、特に印象のない若い俳優、という程度の認識でしたが、ごめんなさい!って感じ。純粋さを真摯に仕事へぶつける感性豊かな青年を見事に演じていたと、私は感じました。

ピアノの美しい音色と森の木々が重なる映像がとても幻想的で、ピアノをより力強く、より美しく演出していてプロの仕事のレベルの高さを実感。

ほぼ原作に忠実で、本の中で印象的だったシーンがきっちりと描かれていて最後まで気持ちよく見られた作品です。

以前、沖縄の海を舞台にした「怒り」を見たときにも、映像から海の力強さと激しさを感じましたが、静かに降る雪に覆われた白い街や鬱蒼とした緑の木々が茂る森が背景であるこの作品からも明るい太陽と海とは質の違う力強さと激しさを感じました。

ピアノには特別興味はなかったし、調律師という職業についても知っている程度でしたが、この小説を読むとどちらにも俄然興味が湧いてきます。調律師の仕事の奥深さが丁寧に書かれていて、作者の宮本氏は調律師だったのだろうか?と思ったほど。

美しい自然と美しいピアノ音楽と、まっすぐ仕事に向き合う若者の姿に心を捉えられた映画でした。

「映画も原作もどちらもよかった邦画作品「怒り」」

まとめ

映画だけでも小説だけでもなく、どちらの美しさも知ってほしいと感じた作品です。

そして、仕事に迷っている若者、これから就職をするであろう世代へ、逃げずに正面からぶつかる姿が学べる作品でもあると思います。

新米調律師の外村に、先輩調律師の柳が

「才能っていうのはさ、ものすごく好きだっていう気持ちじゃないか。どんなことがあっても、そこから離れられない執着とか、闘志とか、そういうものと似ている何か。僕はそう思うことにしてるよ」

と言葉をかけます。

天職に出会える人や、自分の才能をしっかり自覚している人なんて、ほんのわずかだと思います。自分の凡庸さを努力とか、学びとか、真摯に向き合う姿でどうにか生きていくんです。きっとね。

本1冊であっても、縁ですね。素晴らしい作品に出合えたと感じています。おススメの1冊です。是非!!

それではまた。ちゃおっ